“本気で生き直した”訪問歯科医
—— 逃げ続けた学生時代から、日本の超高齢社会の最前線へ ——**
僕は歯科医としては、かなり“王道から外れた道”を歩いてきました。
地方の進学校で燃え尽き、周囲が難関大学へ進む中、
僕は目的もないまま地方国立大学の経済学部に進学し、
そこで 学生起業の真似事にのめり込み留年までした。
大学生活はお金と無縁だったので、
仲間と財布の中身をかき集めて“肉1パックで鍋をする”ような日々。
一方で、パチンコ・スロット・麻雀と“典型的な大学の遊び”にも一通りハマった。
その後、親のすすめもあり 私立の歯科大学へ編入。
ここで僕は人生最大級のカルチャーショックを受けることになる。
大学の駐車場に並ぶのは、ベンツ、BMW、アウディ。
公立育ちで節約とバイトで生きてきた僕には、まるで異世界だった。
そして学生実習で、さらにショック。
自分が手先の不器用な人間であることに気づいてしまったのだ。
「歯科医には向いていない」
その事実を理解しながらも、
投下された時間と親への負担を思うと、辞める選択肢はなかった。
必死に食らいつき、なんとか歯科医となった僕が出会ったのが、
“訪問歯科”という、誰もやりたがらない領域だった。
- 地味
- 大変
- 汚い
- よく分からない
- 意味がない
世間はそんなイメージを持っている。
でも不思議と、この領域では僕は“自然に戦えた”。
むしろここで初めて、
「自分は歯科医としてここで勝てる」
と感じられた。
開業後、訪問歯科を軸に事業を伸ばし、
数年で組織を築き、売上も大きく成長していった。
しかし、僕が本当に“生まれ変わった”のは40代に入ってから。
ある朝、SUPのボードの上で朝日を見た瞬間、
胸の奥からこう言葉が湧き上がった。
「今日から、本気で生きる。」
その日から、人生すべての歯車が噛み合い始めた。
スポーツは SUP(スタンドアップパドル)の世界で挑戦を始め、
仕事は訪問歯科の可能性をとことん突き詰める道へ深く進んでいった。
**【使命】
**僕は“歯科医の王道”を歩んでいない。
だからこそ、これからの歯科医療の王道を切り開ける。**
今、日本は 全世界史上初の“超・超高齢社会” に突入している。
これは歴史上、どの国も経験したことのない領域だ。
医療も歯科も、誰もマニュアルを持っていない世界に突入している。
そしてその最前線に立つのが、
クリニックではなく “訪問歯科” だ。
在宅で生きる人が増える。
寝たきりになる人が増える。
口腔機能が低下する人が増える。
摂食・嚥下が社会問題になる。
医科と歯科の連携が不可欠になる。
これは人類がまだ通ったことのないフロンティアだ。
僕はその最前線で、
毎日“未来の当たり前”をつくっている。
**【メッセージ】
**歯科の道はひとつじゃない。
むしろ、誰もやってない道の方が価値が高い。**
僕は器用でもなければ、
エリートでもなければ、
歯科医の王道ルートでもない。
だけど、
訪問歯科という“誰も見ていなかった場所”で力を発揮できた。
だから、
歯科を目指す全ての人に伝えたい。
・王道の道じゃなくていい
・器用さがなくてもいい
・学歴も過去も関係ない
・やり直しは何度でもできる
・訪問歯科という未来の主戦場は、誰にでも開かれている
そして何より──
これからの歯科医療は、訪問歯科なくして成り立たない。
必要とされるのに、
まだまだ担い手が足りない。
だから僕は発信する。
書く。
話す。
共有する。
未踏の超高齢化社会の最前線で得た知識と経験を、
僕より若い世代へすべて渡すために。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。